お坊さん派遣は、ご遺族にとって安心のシステムです。リンクを貼る支部を募集中
宗派を超えた・やさしいPC法話

ビジネス法話
「正念を持続する」

慧照 

私たちは個人としての存在とは別に、色々な組織に属して生きています。その中の大きな分野に法人があります。その一つの商業法人として、株式会社や有限会社などがあげられます。これらは、法人の人という名称があるように、ひとつひとつ、人格をもった存在なのです。そのような法人の営みをビジネスと呼ぶことにしましょう。これから、この世界を、個人と同じように捉え、佛(ぶつ)の教えをもとに考えていきましょう。八正道(はっしょうどう)の教えが、ビジネス人生にもあるのです。

ビジネス社会においては先を見通す経営が求められます。何かを企てる。行なう。為すとき、経営計画を立てます。私たちの人生設計においてもそうです。既に、釈尊の教えのなかに述べられています。華厳経(けごんきょう)十地品(じゅうじぼん)には、旅の計画をたとえとして教えてくれます。

「隊商のリーダーが、みやこを目指して旅に出る時、道中の状態、道中の食料、等、(たず)ね、準備する。そして、同行する者たちの安全を保つことに確信をもったときに、いよいよ目的地に向かう。…

計画は、その時、用意周到にされたので、出発しなくても、既にみやこに到着したのと同じである」と。

この中で注目すべきことは、末尾の言葉「既に到着した」という箇所です。正念(しょうねん)、という、正しい心の安定。その心をもって取り組めば、おのずから完成に至るのです。

日本経団連会長の米倉弘昌さんが文芸春秋誌で、自らの体験を振り返って記しています。「七十年代に、当時の住友化学社長の長谷川周重(のりしげ)さんの下、プロジェクトに携わった時、計画の撤退に追い込まれ乍ら、社長は諦めようとはせず、苦境を打開して、設備の完成、操業を開始することに成功された。社長の信念に心を打たれた」とのことです。精神論を超えた正念の心が(うかが)われます。