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宗派を超えた・やさしいPC法話

ビジネス法話
「相対世界の壁を越える」

慧照 

私たちが住むこの世の中は相対の世界です。生ずる現象は確率が支配しています。そして、その中に位置づけられているのです。二次元で表わすと、図示する姿は正規分布になります。図では、横にX軸、縦にY軸があり、それぞれ偏差値や母集団などを表わしています。互いに相対比較され、ピンは百点、キリは零点。平均は五十点です。平均値の五十点がどれだけの人数になるかは、所属する世界の度数分布によって異なるものの、誰もがどこかに位置づけられることでは同じです。従って、この世界は競争の世界です。定員が決まっている受験戦争、然り。ビジネス社会でも同様です。展開する競争戦略は、突き詰めると一人勝ちの戦略です。トヨタ、ユニクロの戦略です。その他は、厳しい競争の中で、取って替わり、そして、いつかは取って替わられる。休まることがありません。私たちの世界を二次元で表した簡単なイメージ図である。

しかし、釈尊が体得されたことは、正規分布の世界に生きるということが、そもそもの迷い、とらわれに堕しているに過ぎない、というのです。真実に生きるものは、その壁を越えればよいのです。そこに絶対の世界があるのです。そのような考え、生き方をされたビジネスマンの一人が、松下電器産業(現パナソニック社)の創業者、松下幸之助師であったと受け止めます。幸之助師の言葉で印象に残っているのに、次のような言葉があります。

「事業部の売上高百億円を、百十五億円にするのにはどうするか?出来るようで出来ない。ところが、百億円を二百億円にするにはどうするか?考えると出来ないようにみえるが出来る。現状の延長線で考えても良い考えは出てこない。これに対して、現状の考えを棄てて考えるから成し遂げられるのだ」というような意味だったと思います。正規分布のビジネス世界を越えるとは、このようなことを言っているのです。いわば、創造戦略を推進していたのだと、思います。

ここに、八正道の中の、正正定の教えが表れているのです。正しい精神の統一が求められます。機縁が熟すると、パッと視界が晴れて、無限の世界に出会うでしょう。