はちす法話・目次

愛する大切な人を亡くした時

加茂悦子

生、老、病、死、全ての人にあたえられた平等なものです。

この世に生を受け、そして生き、そして最後は愛する人達ともさよならをして一人あの世に旅立たなければなりません。

だれも迎えるそんな人生を、人の死を通して死という事をきちんと自分に認識させ考えるという事も自分に大切な事と思います。

人に死なれた後というのは、どの人に対しても愛が足りなかったという反省があります。その人がそこに存在する…それだけで周囲に大きな影響を与えているのです。

ですから、最後のお別れの一瞬を「ありがとう、楽しかった。生まれてきて本当によかった。皆さんに感謝します。」と言葉をかけて天に召され、この世を去りたいものです。

送る側も、自分の思いだけに走ってしまいがちです。私も多くの人を見送って来ましたが、あなたとその人の歩いて来た出会いの道のりの中から送りたいですよね。歌をうたってあげたり、音楽をかけて見送るという、そういう別れ方もいいですね。「でもなかなか」病室ではそんな見送り方を考えるような事が出来るものではありませんよね。ですから葬儀の時でもよいではありませんか。僧侶や葬儀屋さんに任せるだけではなく、家族が何か故人の好きだった事を気遣いしたいものです。

去るほうも辛ければ、それを見送るほうも辛い…。

人間というものは、本当に一人では生きてはいけないのです。お互いに支え合って人という字が出来ているわけですし、人間という字は「人」の「間」と書きます。人の間にいなくては人間は生きられないのです。そのように関わって生きて来た人との死を通し、その時心が素直になれる時だと思います。

この命をどう生きて行くか、人生をどう締めくくるのか、死ぬ時はどんな言葉をかけて死んで行こうとか考えるのもいいと思います。その別れを静かに受け入れられた時、その人にとって亡き人は諸仏となるでしょう。深く自分を見つめていく大事なご縁ではないでしょうか。

                                   合掌  


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