極 楽 う ど ん

Kojun

早くて短い秋をむかえたお山の宿坊では、この季節から早春にかけて、お参りくださる皆さまに温かいうどんをお出ししています。ある日、親御さんに連れられた小さな女の子が参られた時の事、女の子は、フゥフゥと、うどんを食べながら住職に聞いてきました。

『おぼうさま、地獄とか極楽とかあるの?』 住職は『ん~お坊さんもわからないけど、この世界も人の気持ちや行いひとつで、地獄にも極楽にもなるんだよ』と優しく答えました。

女の子は『?』不思議そうに住職を見ています。 住職は話をつづけました。


むかーし、参られたある団体さんに、うどんを大鍋で湯がいてお出ししたの。人数分の長い菜箸と一緒に。その皆さんは菜箸を大鍋の中につっこんで、我先に我先にうどんを食べようとしたんだ。ただ長~いお箸なので、自分の口元にうどんが届かず、つるりとすべって下に落ちる。あわてて大鍋のうどん目掛けて菜箸を突っみ食べようとすると、またつるりと落として。。。

そのうち、大鍋の中のうどんが残り少なくなると、隣の人が挟んだうどんを箸で横取りしたり、取られた方はとりかえそうしたり。大騒ぎのうちに最後に残ったのは、大鍋の周りに落ちた大量のうどんと、誰もうどんを口に出来ずにくたびれ果てた団体さん。

また別の日に違う団体さんがみえられ、同じように大鍋でうどんをお出ししたんだ。

そしたら今度の皆さんは、菜箸でうどんを挟んでも、自分は口にせずお隣さんに『はいどうぞ、召し上がって ♪』と食べさせてあげてるんだ。すると今度はお隣さんが『あ~おいしい! あなたもどうぞ ♪』と自分がしてもらった様に、うどんを挟んでお隣さんに食べさせてあげてる。そうして仲良く、順番に食べさせ合って綺麗に召し上がられたんだ。

人の気持ちや行いが違えば、同じものでも地獄にも極楽にもなるんだね。不思議だよね ♪


すると女の子は、ニコッて笑って『お坊さま、あ~~ん』ってお箸で自分のうどんを住職の口元に持って来てくれた。『いいよいいよ、ありがとう』と住職は笑顔でお部屋を出ていったけど、見慣れたお寺のお庭がぼやけて、とても温かい気持ちになりました。

人はみんな、誰もが菩薩の位なんですね、感謝・合掌です。


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