ハレの日。

小西 竜刀

しばらく前のとある日に地鎮祭を行ったときのこと。

その日は生憎の天気で、施主さんが私に「折角の日に雨の中お祓いなんて大変ですね」と申し訳なさそうに話してきました。

そこで私は「いえいえ、それこそ恵みの雨なんて言葉もありますし」と返すと「あ、なるほど」という返答が。


確かに雨が降ると衣類が濡れたり、なにかと準備するものが増えたりと大変です。

ぐずつく天気が続くと気分もなんだか塞ぎがちというのも然りですし。


ところでお大師様(弘法大師)が雨乞いをされたという話は幾つもありますが、晴乞いをされたという話は皆無と言っていいでしょう。

雨が降らなかったら畑の作物は育ちませんし、人々の飲む水もままなりません。いくら晴れても雨が全くなければ…ということですね。


おめでたい日、例えば結婚式などを行う日を「晴れの日」というという表現をすることもありますが、本来の意味でのハレとは日常生活のなかに時折訪れる折り目・節目を指すものだったとか。なので現在のハレという捉え方は少々ズレておいるように思う次第でして。


雨が降ると不便だ、晴れていたほうがなにかとやりやすいなどと思っていても水道を捻ったら当たり前のように水が出る生活。じゃあその水はどうやってそこに来たのか?なんのことはない、本をただせば雨に他なりません。井戸水にしたって大抵の井戸は地面に降った雨が滲みこんだものなわけでして。


晴れだから、雨だからなんてのは人の勝手な思い込みに過ぎないなと思うわけです。

勿論、だからといってわざわざ雨に濡れて風邪をひいてくださいよということではないですよ、ええ。

目の前で起きていることを受け入れることも大事ですが、あまりにも左右されすぎるのも考えものということです。


本当の自然の力にはヒトは勝てません。

自然のなかに生かされているということを常に忘れないことが肝要かと。

合掌

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