宗派を超えた・やさしいPC法話

葬儀 〜 悲しみに寄り添う 〜

和田隆恩

死は、否応なく自分に迫ってくる【いのち】の真実です。その真実の重さは、悲しみや戸惑いを生みます。そして、なかなか受け止められない自分があからさまになります。

しかし、その悲しみを知らずに、【いのち】への優しい眼差しが生まれるでしょうか? また、今を生きていることを本当に喜ぶことができるでしょうか?

亡き方を御縁とし、痛みや嘆きという気持ちをも包んで、悲しみに身を寄り添うところから、生死する【いのち】の本当の姿に触れる・・・・・・葬儀が仏縁になる瞬間です。

葬儀は、亡き方との最後のお別れの儀式であると同時に、新しい仏(御先祖)様の誕生に立ち会う儀式でもあります。そして、人の「死」という重い事実を受け止め、今まで賜った恩徳に感謝の念を持って御礼を申し上げる厳粛な儀式です。身近な方の死という現実を、誰にも避けられない真実として真剣に受け止め、その方の生涯を偲びつつ、自分が生まれた意義を仏様の教えに問い尋ねていかねばなりません。そして、「生まれ、生きる」 「老いる」 「病む」 「死ぬ」 という人の予測できない真実を真摯に受け止め、この穢土(えど)(現世)に生かされているこの身に生きる喜びを見出すのです。

故人が人生の最後にその身をもってお教え下さった、「生あるものは必ず死ぬ」という真実を改めて確認し、臨終から通夜・葬儀を通して、亡き方からの、「人は必ず死ぬからこそ今ある生を確かなものにしなさい!」、「死と隣り合わせで生きているあなたは、どう生きますか?」という願い・問いに静かに耳を傾けることが肝要です。

                           合掌  

蓮ライン