「一日一生」釋 和顔法話-1

和顔師のプロフィール

一日一生

釋 和顔

今夜は故人のためにお参りいただきましてまことにありがとうございます。折角の機会ですので少しばかりお話させていただきます。

 

皆さんは大島みち子さんという名前を憶えておられますか。顔の軟骨が次第に腐っていくという難病に侵され二十二歳という若さでこの世を去った女性です。彼女が主人公となった「愛と死をみつめて」という本・映画が一世を風靡しました。

   

その彼女がこんなことを言っています。

 

病院の外に健康な日を三日下さい。

 

一日目、私は故郷に飛んで帰りましょう。そして、おじいちゃんの肩を叩いて、それから母と台所に立ちましょう。おいしいサラダを作ってアツカンを一本つけて、妹たちと楽しい食卓を囲みましょう。

 

二日目、私は貴方の所へ飛んで行きたい。貴方と遊びたいなんて言いません。お部屋を掃除してあげて、ワイシャツにアイロンをかけてあげて、おいしい料理を作ってあげたいの。そのかわり、お別れの時やさしくキスしてね。

 

三日目、私は一人ぼっちで思い出と遊びます。そして静かに一日が過ぎたら、三日間の健康ありがとう、と笑って永遠の眠りにつくでしょう。

 

もしあなたが彼女の立場だったらどうでしょう。考えてみて下さい。

 

昨日生きていたから今日も大丈夫。今日生きているから明日もきっと・・。

そうですか、みなさん。人間の死亡率は百%。誰も明日、いや一寸先の命も保証されていないのです。

 

「一日一生」という言葉があります。朝に生まれて、夜寝る時に死ぬ。朝起きた時「今日も新しいお命をいただいてありがとうございます!」。夜寝る時に「今日も無事に生かしていただきました。ありがとうございます」。感謝に始まり感謝に終わる一日。そういう充実した人生を送るために、私たちは仏様からお命を賜っているのではないでしょうか。

 

本日は亡き故人様のお姿に接して、日頃顧みることの余りない「生とは?」「死とは?」という人生の一大テーマを改めて考えてみるチャンスにしていただけますれば、故人もさぞ満足されるのではないでしょうか。

 

ご静聴ありがとうございました。(了)

合掌


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